●トピック
●深く知る
暗号化を実施する際には肝に銘じておく前提がある。ケルクホフスの原理では、暗号化で安全性が担保できるのは暗号化における計算手法であることを前提とし、暗号鍵以外は盗まれたとしても問題ない設計を目指すことを提唱している。今となってはこの原理はデファクトスタンダードになっているといえる。暗号化アルゴリズムも電文内に記載されており、暗号化アルゴリズムが認知されていないという前提を置くシステムはあまり見かけない。
コンピュータの計算能力は常に成長を続けている。これにより今まで計算の複雑性に頼ってきた暗号化方法が解読可能な領域に入っていく。これを危殆化と呼び、安全と呼ばれる暗号化方法も永続的なものではない。その一方で、量子暗号という方式が発明された。解読することが物理的に不可能であり、計算効率によって解決できる代物ではない。暗号化は争いを支える技術であるため進化してきた背景があるが、それと同時に様々な暗号を解読する天才たちが現れる。人の世は常にあらずである。