資産は机やパソコンなどの有形の資産だけではありません。データやライセンスという無形の資産も含みます。これらの資産の特定は当然ながら異なります。机などの有形の資産であれば、とても簡単です。どう見ても目の前にありますからね。しかし、無形の資産になると、それはプログラムといったファイルデータだけではなく、使用権やライセンスであったりします。資産を管理するためには、まずはこのような資産を特定することから始めなければなりません。
資産インベントリは、組織内のすべての物理的およびデジタル資産のリストを作成し、それらの資産を追跡、管理するプロセスです。資産の識別と管理を容易にし、資産の価値、状態、場所、所有者などの情報を把握します。これにより、資産のライフサイクル管理やコスト管理が容易になり、効率的な運用が可能になります。冷蔵庫の中の物を完全に把握できたら、賞味期限が切れる前までに使いきれるように、資産の放置から発生する腐敗を抑止し、利活用を促進することができるでしょう。
しかしながら、資産インベントリは単にプロセスですので、始めに申し上げた無形資産の管理を簡単にするものではありません。デジタル資産を含む無形資産の資産インベントリは、手動では徐々に無謀になってきますので、ある程度の自動化が必要です。
そこで大抵の組織では、インベントリ管理システムもしくは、資産管理ソフトウェアを導入することになるでしょう。IT資産のインベントリ管理システムでは、端末にインストールされているアプリケーションの種別とその各バージョンも自動で管理します。これにより、不正なアプリケーションや有料のライセンスの利用状況を確認できるようになっています。また、利用していない端末やサーバーやソフトウェアを管理することで、物理的なスペースや省電力、もしくは不要なライセンスの停止につながります。インベントリ管理を適切に行うことで、無駄なコストや投資を削減することができるでしょう。また、デジタルだけではなく、物理的な資産に対してもRFIDタグやバーコードを使用して、インベントリ管理システムに統合する機能を持つものもあります。
資産インベントリは、組織の情報セキュリティと資産管理において重要な役割を果たします。正確な資産インベントリを作成し、適切に管理することで、セキュリティリスクを低減し、効率的な資産運用が可能になります。